2011年2月5日土曜日

英文就業規則で Mayをどう使う

may とくれば、~かも知れない、とか ~してもよい、と訳しますね。

就業規則の中で、「会社は~することがある。」とか、「~することができる。」という表現が使われることがあります。これは、「会社は~します」という約束をするのではなく、その行為をするしないは会社の裁量に任されているという場合に使われます。

例えば、非常災害時の会社の対応について、就業規則で下のように決めていることが多いですね。

2011年2月3日木曜日

What are the rules of employment?

The rules of employment stipulate working conditions and office regulations. Any company that employs ten or more employees is required to provide the rules of employment and submit them to the Labor Standards Inspection Office.

The company is also required to make these regulations well-known to the employees. It is desirable for overseas employees to provide the rules of employment in a language that such employees understand if they don't understand Japanese.

The rules of employment shall not infringe any law such as the labor standards act and other related laws.

2011年2月2日水曜日

shall notは、~してはならない、に使う

就業規則には、社員に対して、「~してはならない。」と決めているものがあります。
例えば、セクハラ行為は絶対にしてはならない、個人情報は漏洩してはならないといった事柄です。

特に、会社が社員に対して禁止する行為は、社内外に対するリスク発生要因となる行為だけに、法律に違反しない行為でも、会社として禁止したい行為があれば、それは就業規則の中で明確に禁止しておかなければなりません。

特に、文化も生活環境も違う外国で育った人を、日本国内で雇う場合には、日本人の中では良くない行為であっても、彼らの中では、悪いことでも何でもなく日常的に行われている行為だったりします。その行為が行われてしまってから、「それは就業規則に違反する行為だから処分する。」と言っても、会社が周知義務を怠っている場合には、その処分は不当であるということになりかねません。外国語(まずは英語版)の就業規則を作成することは、こうした社内外のリスクを軽減する意味もあるのです。

以下のような禁止行為はどの就業規則にもある条文です。

第4条 秩序の維持
社員は職務上の地位、権限を利用し、金品を受け、または自己の利益を計ってはならない。

私が英訳したのは以下のような英文です。

Article 4 Maintenance of discipline
All employees shall not receive money or any other personal benefit by taking advantage of the position and/or power related to their duties.

~してはならないは、may notを使うこともできますが、may notには、「~できない」という意味もあると言われているので、私はshall notだけを使っています。

あるいは、
No employee shall receive money or any other personal benefit by taking advantage of the position and/or power related to his/her duties. 
とする表現方法もあります。

~を利用し、というところは、 take advantage of という表現を使いました。
and/orは、両方またはどちらか1つでも、というときに使います。

his/her dutiesというのは、直訳すれば、彼/彼女の職務となります。男女の区別を付けずに、その人の、と言いたいときに、こうした表現を使うことがあります。

これと似た表現で、he or she(男性女性を特定せずに、ある人が~と言うときに使っているようです)というのがあります。漫然と聞いていると、ひろし、と聞こえるので、びくりします。(特にヒロシさんは)

職務、任務、、職責dutyを使うときは、duties と、複数形にします。


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2011年2月1日火曜日

shallがよく出てくる英語の就業規則

就業規則は、会社が決めた社員の働き方に対する決まり事を集めたものです。
したがって、書き方に特徴があり、「~する。」「~しなければならない。」「~してはならない。」等で終わる文章が多くなります。

例えば下のような規程文を就業規則に入れることがあります。

第2条 (選考)
会社は就職希望者の中から選考して、社員を採用する。

ごく普通の日本語の文章ですがこれを英訳するとどうなるでしょうか?
私なりの英訳ですが以下のようになりました。

Article 2 (Screening)
The Company shall employ these applicants who are qualified as the employee of the Company.

ここで、shall という単語が使われています。上記のような日本語を普通に英訳すると、"will "を使いたくなりますが、間違いではありませんが、会社が社員を採用するという意思をはっきりと示すためには、shallを使った方が明確です。法律の条文や売買契約書などでもshallはよく使われています。

英文の規程や契約書を読んで理解したり、作成するときはshallの使い方に慣れることが大切です。

この英訳文に、qualifiedという単語が出てきます。qualifyの過去分詞で、基準を満たした、とか、資格のある等と訳されます。英文の、these applicants以下を直訳すると、「当社の社員としての基準を満たした応募者」となります。

shallはまた、「~しなければならない」という意味にも使います。
must とどちらを使っても良いのですが、私は、どちらかというとmustを「~しなければならない」に使い、shallは「~する」に使うようにしています。例えば下のような条文の場合は、mustを使って英訳しています。

第3条 (規則遵守の義務)
会社及び社員は、共にこの規則を守らなければならない。

Article 3 (Duty of Compliance)
Both the Company and the employee must observe these rules.

shallの代わりにshouldという単語は「~しなければならない」や「~する」に対応する英語として使えないのか調べてみましたが、あまり使われていません。
shouldには「もし、~なら」(もっと砕けた言い方をすれば、あり得ないことが起きてしまったら~)という仮定の意味が込められていて、意味が曖昧になりやすいので避けられているのでしょう。


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2011年1月31日月曜日

就業規則の当事者は会社と社員

就業規則は、会社が社員に対して、働き方のルールを定めたものですから、登場人物としては会社と社員の2者となります。

そこで、就業規則の中で、この両者をどのように呼ぶかということがあります。
例えばABC株式会社の就業規則の至る所で、毎回、「ABC株式会社は、~」と書いていたら煩雑ですし、読みにくいですね。そこで、ABC株式会社のことを指すものとして、就業規則の中では、「会社」として表示すると決めてしまえばよいわけです。
実際にこのようなことが就業規則では行われています。通常は就業規則の最初に、このことを決めています。例を挙げてみましょう。

第1条 
この規則は、ABC株式会社(以下、「会社」という)の社員の労働条件関する事項を定めたものである。

この(以下「会社」という)の部分があるので、それ以降は就業規則に会社と出てきたらABC株式会社のことであると決まります。

これを英語で表現するとどうなるでしょうか。上の日本語の文章を英訳してみます。

Article 1
These rules of employment stipulate the criteria for working conditions concerning the employment of those who are in the employ of ABC Corporation (hereinafter referred to as "the Company").

本文の英文はともかくとして、(hereinafter referred to as "the Company")の表現が、(以下「会社」という)に相当する部分です。

hereinafterは1語です。「ここから先は」という意味ですが、契約書や法律の文章によく出てきます。
Company とCを大文字にしたのは、就業規則の中でCompanyを目立たせる目的なので、このようにしなければいけないということではありません。但し、the は付けます。

もっとこなれた表現を使うこともあるようですが、私は、日本語と同レベルの厳格さを英語版にも保ちたいと考える方なので、このような表現となっています。

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2011年1月30日日曜日

英語の就業規則 Rules of Employment

Rules of Employmentの記念すべき1ページ目においで下さり、ありがとうございます。
ここでは就業規則という会社の規則について、知っていただくと共に、その英文の翻訳版を作る際のヒントなどもご紹介していきます。私はサラリーマン時代は、貿易業務に従事していて、米国に5年の駐在経験もあり、それを通じて米国人の権利に対する考え方には日本人以上に強いものがある事を学びました。今、外国人社員は普通の日本の会社で普通に働いています。問題が起きたときのためにも、就業規則の翻訳版を作っておきましょう。

日本では、労働基準法という法律があって、その法律の中に、10人以上の従業員がいる会社では、就業規則を作って、労働基準監督署に届け出る決まりがありますが、それと同時に、会社には従業員にその内容を周知する義務も定められています。

もし、外国人社員がいたら、日本語の就業規則だけでは足りませんね。
どうしても英語の就業規則が必要になります。特に契約意識の高い外国人を雇っていらっしゃる会社では、雇用契約書だけでは書き尽くせないような事項もあり、就業規則でそこを補うということが求められています。
日本語版でもそうですが、社員にとって不都合なことは,小さな事でも前もって知らせておかないと、後になって、「知らなかった」、「そのような決まりがあるならこの会社には来なかった」、「会社の決定は不当だ」等と反論されてしまいます。
これで労使トラブルになることは結構あるのです。

私は、特定社会保険労務士ですが、英語の就業規則を作っておかなかったことが、労働審判で、解雇が無効となる一つの要因となり、結果、負けた会社のことを知っています。このような事態はおそらく他の会社でも起きているのではないでしょうか?

そこで、これから、英文で就業規則を作る際のヒントなどを書いていきます。

就業規則の原文は普通は日本語ですから、これを英訳すれば良いだけのことですが、実際にやってみると結構大変です。労務管理のプロである社会保険労務士が翻訳すれば、安心ですね。

通常、就業規則は日本語版でも法律の文章のような書き方がしてあり、理解するのが大変な時があります。英訳したら,意味が違ってしまったなどということの無いように気をつけなければいけませんね。

では、まず、就業規則とは英語で何と表現すればよいでしょうか?

このブログのタイトルにもなっていますが、 Rules of Employment  が一般的なようです。
Rulesと複数形を取りますのでご注意下さい。

この他にも、Employee's regulation とか Office Management Rules などといった表現も使われるようです。

このような感じで少しずつ進めていきます。時々見に来ていただければ、新しいInfoがあるかも知れません。

それではまた

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