東北関東大震災の影響で、首都圏を始め、広い範囲で、計画停電が行われています。計画停電中は仕事ができないので、その時間帯、会社は休まざるを得ない状況が続いてます。いわゆる休業です。
英訳するとLayoffという単語が出てきますが、ここでは、ニュアンスが少し違いますね。ちなみに、計画停電は、Rolling blackoutsとか、rolling power cutsなどとと訳していることが多いようです。Rolling(巡回しながら)とは上手い英語表現ですね。
表題に書いてしまいましたが、計画停電による短時間の休業の英訳には、suspend, suspensionという英単語の方が良さそうです。
会社の都合による休業については、労働基準法第26条の決まりによって、休業した日について、平均賃金(1日分)の60%以上を手当として払わなければならないとなっています。よく、No work No pay(ノーワークノーペイ)の原則といわれますが、この事業主都合の休業は別扱いで、休業手当の支払いが必要です。
会社都合の休業とは、例えば、材料が手配できないために、製造ラインを止めざるを得ず、やむなく休業した場合等が代表例です。
計画停電による休業の取扱については、特例となりますので、後で詳しく見るとして、通常の会社都合の休業について、さっそく就業規則の条文を見てみましょう。
第14条 休業手当
会社の都合により、休業した場合には、休業期間中、平均賃金の60%以上の手当を支給する。
Article 14 (Allowance for absence from work)
When the Company suspends operations by its own choice, it shall pay the employee sixty (60) percent or more of his/her average wage during the period of absence from work.
以上、以下、~超える、未満などの言い回しに、慣れておく必要がありますが、別の機会にまとめて書くようにします。
ところで、計画停電による休業ですが、厚生労働省から通達が出ていて、『計画停電の時間帯については、不可抗力による休業ととらえるので、この時間帯については、会社の都合による給とはならない。』となっています。つまり、給料を払わなくても、法律(労基法26条)違反とはならない、と理解できます。(もちろん通常の給料や休業手当を払っても構いません)
また、計画停電前後の時間帯にも休業した場合は、その時間については、原則は休業手当の対象になるとのことです。
原則なので、例えば、会社が賃貸ビルに入居しているような場合は、計画停電が終わってもすぐに業務再開できず、ビルの安全確認のための時間も休業せざるを得ないようなときがあります。
あるいは、午前と午後の2回計画停電があり、間の時間だけ営業しても、諸経費倒れになってしまうので、1日休業するといった場合もあります。こんな時は、個別のケースとして判断するとなっています。
でも、この通達の文章を読んでも、言葉が難しく、また、個別のケースについては、確定的な判断を示していません。個別のケースも含めて、行政の判断をもらいたいときは、会社の住所管轄の、労働基準監督署に直接問い合わせるか、社会保険労務士に相談するのがよろしいと思います。
ではまた
日本労務監査協会では、就業規則のチェックを含めた労務コンプライアンス監査を行っております。
詳しくは当協会のホームページをご覧下さい。
または下記にメールお送り下さい。
E-mail to:aljan@wine.ocn.ne.jp
ALJAN事務局
山本臣治 (YAMAMOTO Shinji)
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