2011年2月28日月曜日

事業場外のみなし労働

就業規則の規定の中に、ほぼ必ず規定されているものに、事業場外のみなし労働という項目があります。例えば、外回りの営業担当者のように社員が、1人で、社外で仕事をするときには、上司であっても、その営業担当者の労働時間の管理や算定が難しい場合があるので、そんなときは、所定労働時間や一定の時間だけ働いたことにしましょう、という規定です。

これは、労働基準法38条の2に、その規定があり、就業規則の規定も、この労基法にその根拠を置いています。労基法にどのように書いてあるかというと、前半部分だけですが、



「労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。」

つまり、ある日は早上がりして、実働6時間だったとしても、別の日遅くまで働いて9時間だったとしてもどちらも所定労働時間(例:8時間)働いたとみなして、所定の給与を払うという仕組みです。

ただし、労働時間を算定し難いという条件を満たさなければならないので、携帯電話やメールで会社から逐一仕事の指示や命令を出しているような場合は、この算定し難い状況とは言えません。また、上司と一緒に外回りをしていたような場合も、算定できる状態なので、この事業場外のみなし労働とはなりません。

さてこの規定を英訳してみましょう。

第12条 (事業場外のみなし労働)
社員が,労働時間の全部または一部について事業場外で業務を行った場合について、労働時間を算定し難いときは、前条に規定する所定労働時間労働したものとみなす。


Article 12 (Working hours outside the office)
In the event that actual working hours spent by an employee who worked outside the office for all or part of his/her normal working hours on such day  cannot be calculated, such employee shall be deemed to have worked for the normal hours as stipulated in the previous article.

この規定は、外回りの仕事が、概ね所定労働時間内に収まるということを想定して作られています。
もし、常に10時間働いているというような場合は、会社と社員代表や代表組合との間で約束する、労使協定で、事業場外労働は10時間とすると決めてその労働時間分の給与を払うことにします。
法律でもそのように実態に即した対応をするように会社に求めています

ではまた

日本労務監査協会では、就業規則のチェックを含めた労務コンプライアンス監査を行っております。
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山本臣治 (YAMAMOTO Shinji)

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